ありがとう、マイク・マッカーシー。
こんなインターネットの片隅で言われても嬉しくはないだろうが、ダラス・カウボーイズのヘッドコーチ在任期間中の実績と戦いぶりに対し、敬意を表したい。
プレイオフではまだ満足のいく成績を上げられてはいないが、昨年まで3年連続でレギュラーシーズン12勝を達成した事は素晴らしかった。さらに、若い選手に辛抱強くチャンスを与え、成長を促そうとする姿勢は画面越しからも伝わってきて、チームをフォローしていて気持ちが良かった[1]。

過去3シーズン中、2連敗する事がほとんどなかった事もありがたかったし、ターンオーバーを奪った数から失った数を差し引いた、純ターンオーバー数が大幅にプラスだったため[2]、観戦していて清々しい気持ちになれる事が多かったことに対しても感謝を申し上げたい[3]。
来シーズン、カウボーイズのヘッドコーチとして再契約する事になるのか現時点では不明だが、これまでの実績に対し、とにかくお礼を述べておきたい。
さて、第9週の試合でアトランタ・ファルコンズに21対27で敗れてから、エースクォーターバックのダック・プレスコットは負傷欠場し、バックアップのクーパー・ラッシュが先発出場する事となった。ラッシュが先発したフィラデルフィア・イーグルズ戦は6対34と惨敗に終わり、その翌週のヒューストン・テキサンズ戦は10対34と大敗。この時点でシーズン通算3勝7敗となり、プレイオフ出場は絶望的な状況で、シーズンを通して勝ち越す事すら困難な情勢となった。
どん底の状態で迎えたかのように見えた[4]NFC東地区のライバル、ワシントン・コマンダーズとの試合では、10.5 点差以上を付けてワシントンが勝利する、と予想されていたが[5]、今シーズン勝ったことがなかった本拠地で、なぜか34対26で辛勝。そして毎年恒例の、ダラス本拠地での感謝祭ゲームでは、先発クォーターバックだったダニエル・ジョーンズをベンチに降格させたニューヨーク・ジャイアンツと対戦し、ディフェンスの活躍、ラン・オフェンスの復調、QBのラッシュが安定感を取り戻した事等が重なり、27対20と見事に2連勝し、現在5勝7敗。
14週目のシンシナティ・ベンガルズ戦で勝利すれば、勝率5割以上でシーズンを終える事も夢ではなくなってくるし、もしかしたらプレイオフ進出も視野に入ってくるかもしれない。

厳しい11月を乗り越え、ダラス・カウボーイズのチーム状態がなんとか上向いてきたこの時点で、今シーズンのレギュラーシーズン中の観戦記は一区切りとし、今後はこのブログの本業である本の書評に注力していきたい。
[1] 負傷欠場中のザック・マーティンに代わりライトガードで先発出場したブロック・ホフマンや、負傷欠場中のタイトエンドのジェイク・ファーガソンに代わり、先発したルーク・スクーンメイカーなどなど、今後活躍が期待できそうな若手選手が多い。
[2] マイク・マッカーシーがヘッドコーチを務めるチームがほとんど2連敗しない事や、純ターンオーバーが大幅にプラス超過になる、といった特長は彼のグリーンベイ・パッカーズ時代に遡るらしい。この点については、サブスタック(Substack)でカウボーイズのコラムを執筆しているベテラン記者、ボブ・スターム(Bob Sturm)のニューズレター “SturmStack”が詳しい。
[3]強いチームと当たって負けたり、大敗する事があったりしても、翌週必ず勝つ、となると観戦のしがいがある。純ターンオーバー数が大幅にプラスだと、たまにディフェンスがタッチダウンしたりして、一試合30点以上奪う可能性が高まり、観ていて気持ちのいい試合展開が増えるし、実際そのような爽快な試合が多かった。
[4] クーパー・ラッシュがニューヨーク戦後の記者会見で語っていた内容によると、フィラデルフィア戦やヒューストン戦では大敗を喫しながらも、少しずつ手ごたえを感じていたようだ。(会見開始後2分15秒あたり。)
“Cooper Rush: Postgame Week 13 #NYGvsDAL| Dallas Cowboys 2024,” YouTube, Dallas Cowboys
[5]“Cowboys vs. Commanders prediction, odds, spread, start time: 2024 NFL picks, Week 12 bets from computer model,” CBS Sports, Nov. 24, 2024.
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