【書店巡り】ふうせんかずら 近鉄奈良駅近く

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 先日、近鉄奈良駅前の『書院』を出た後に向かったのがこの書店、『ふうせんかずら』[1]。なんと、東京でも見た事がない無人書店である。奈良にこんな本屋があったのか、とまたもや感嘆した。奈良公園と東大寺のイメージしかなかった、奈良駅周辺がまさかこんなに開け[2]ているとは。

 無人店舗で自分が思い出すのは、2020年前後にシンガポールでスーパーの無人店舗化が始まり、現地のメディア[3]も取り上げていたこと。中に入るのはいいけど、出られずに閉じ込められたらどうしよう[4]、等といらぬ心配をした事を思い出す。日本でもここ数年の間に少しずつ無人店舗は登場しているようだが、まさか奈良で無人書店に出くわすとは。

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 『ふうせんかずら』に入店するには事前にメールで氏名、電話番号、住所、メールアドレスを登録し、入店用のIDナンバーを送ってもらう必要がある。もしくは店舗の入り口にあるQRコードを使って、当日用の仮IDナンバーを発行してもらう。そのIDナンバーを、店の入り口の電子ロックに入力すると、ドアの鍵が開く。

 店内には古本を中心に、小説など色々なジャンルの本[5]が陳列されていた。自分が行った時は他の客も店員もおらず、まさに無人店舗状態だった。店の奥の方にはカフェのカウンター[6]があり、トイレも完備されていた。買い物をする時の精算用のカードリーダーも置いてあった。なかなか恰好いい内装である。

当日は急いでいて、あまりじっくり本を見る事ができず、何も買わずに店を出たが、また来てみたい、と思った。

それにしても奈良駅周辺は、色んなカフェをはじめ、おしゃれな感じのする店がずいぶん増えたようで、驚きだ。海外からの観光客が増えた事も影響しているのだろうか。自分が持つ奈良のイメージをアップデートする必要がありそうだ。

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[1]『ふうせんかずら』のウェブサイトはこちら。https://narabook.space/

[2] 昨年、中学・高校時代の友人と会食した際に、近鉄奈良駅から歩いて7分ぐらいの、商店街の中にあるベトナム料理屋に初めていったが、あまりの美味さに驚いた。昼食時は行列ができるのが普通で、なかなかすぐには入れないらしい。

[3] シンガポールの英字紙の一つ、ザ・ストレーツ・タイムズの次の2020年の記事を読んだ覚えがある。これより前、2017年頃から、専門学校や大学のキャンパスでコンビニの無人店舗は存在していたとのこと。

“New unmanned and cashless Cheers outlet opens in Our Tampines Hub,” By Shabana Begum, The Straits Times, Updated Dec. 13, 2020, Retrieved on Jan. 6, 2025.

https://www.straitstimes.com/singapore/new-unmanned-and-cashless-cheers-outlet-opens-in-our-tampines-hub

[4] この恐怖心は、いま流行っている、JRの駅の改札口近く等にあるワークスペースを利用したときに体感した。ワークスペースの中に入ると机があり、作業するための環境が整っていたのは良かったが、出るときに、利用終了ボタンを押してもドアがすぐには開いてくれなかったときは焦った。

[5] 『ふうせんかずら』のウェブサイトによると、約60組の書店が出店していて、古本だけでなく、新刊の本も売っている、とのこと。

[6] 実際はシェアキッチンらしい。この日は営業していなかった。

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