
先日、国立国会図書館でシンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズの2013年7月下旬分の閲覧を申し込み、関西館から取り寄せてもらえる事になっていた。無事届いた旨のメールが昨日送られてきた。東京の本館での取り置き期間は三営業日に限定されているため、早速閲覧しに行くことに。
やや計算違いだったのは、普段より大きなリュックサックを持参したこと。大中小のロッカーがあったが、リュックが長すぎて一番大きいロッカーにしか収まらなかった。その大きなロッカーは十二個ぐらいあっただろうか。大のロッカーを利用するにはコイン型のメダルを警備員の方からもらう必要がある。そのコインは鍵をかけるときだけに使用し、ロッカーを使用し終わり鍵を開けると自動的に回収される。
昼時に着いたため、まずは食堂で腹ごしらえする事に。先日はカレーにトライしたので、今回はバランス定食を注文。この日は豚丼で値段はたしか680円だった気がする。定食を頼むと、七、八種類ぐらいの小鉢の中から好きなものを一つ選べる。山菜のおひたしを選択。
週末だけあって、それなりに利用者がいる。平日来た時は六人掛けの机をそれぞれ一人の利用者が独占していたが、今日は相席に。豚丼、おひたし、みそ汁すべて美味かった。食べ終わったころには、食堂に入って来る人が多くなっていた。
食事が終わると、新館二階にある関西館資料取り寄せカウンターに向かい、予約していたストレーツ・タイムズを借りに行く。自分のイメージとしては、紙面の上の隅っこに穴があいていて、そこに大きなリングを通してくくられたものが渡されるのかな、と思っていたが、実際にはストレーツ・タイムズの十日分程度に、大きなカバーを付けて製本されたものが貸し出された。重さは10キログラムぐらいだろうか。持ち上げるだけなら両手で持ち上げられるが、これを抱えながら持ち歩くのは大きすぎてかさばるし、現実的ではない。
館員の方が資料を緑色の手押しのワゴンに乗せて下さる。閲覧する場所に制限はないのか尋ねると、本館四階の新聞資料室に新聞を載せて閲覧する為の台がついた机があるのでそこを利用するのがいい、と教わる。新聞のコピーを申し込むのも新聞資料室で行う、とのことなので、そちらに向かう。
新聞資料室に入ると右手の方に閲覧用の机と席が並んでいる。新聞用の台がついた机は奥の方にあった。製本されたストレーツ・タイムズをあけてみると、十年以上前の新聞だが保存状態が素晴らしい。2013年7月の紙面を見ていると、どこかタイムスリップしたような感覚になり、思いのほか興味深かった。日本と東南アジアの外交関係についての記事を探すのが目的だったが、2013年当時アメリカの副大統領で、2025年1月11日現在、現職大統領のジョー・バイデン氏がシンガポールのアダム・ロードのホーカーセンターに立ち寄った時の写真[1]も載っていて、思わずコピーする事に。
新聞閲覧用の机にはしおりとして使うための紙切れがいっぱいおいてあり、コピーしたい箇所に挟んでおく、というシステム。いったんは多めにコピー候補の箇所を見つけておき、後で絞り込めばいいや、と考えたが、大きな新聞のページを小さなしおりを頼りにめくっていくのは結構手間がかかった。
最初からコピーする箇所をもっと限定しおいた方が良かったのと、閲覧を開始する前に、複写申込書を一、二枚あらかじめ端末を使って印刷しておくべきだった。コピーしたい記事を見つけるたびに、当該箇所にしおりを挟み、申込書にその紙面の日付、朝刊か夕刊かの指定、頁数などを記入していく方が断然効率がよかった。
この日は滞在できる時間が90分程度だったので、焦りながら作業を進める羽目に。なんとか申込用紙への記入も終え、手押しワゴンに新聞を載せてまずは受付カウンターで確認を受ける。そこでOKをもらってから近くの複写カウンターへ。
記入済みの申込書や、挟んであるしおりを確認しながら、ページ全体をコピーするのか、特定の記事だけをコピーするのか、どの大きさの紙を使うのか、等を館員の方と相談して決めていく。用紙のサイズはB4,A3,A2だったと思う。A2だと一頁まるまるコピーできるが、コピー代が一枚130円ぐらいしたと思う。それ以外は一枚30円~40円ぐらいだったような。
複写が完了するには20分~30分位かかり、「国立国会図書館サーチ」のウエブサイトで進捗状況が確認できる、とのこと。新館の喫茶店でコピーが出来上がるのを待つことにした。アイスコーヒーを頼んでサイトを確認すると、印刷完了と出ていたのですぐに本館四階の新聞資料室にもどる。料金を支払い、コピーされたものをもらって、今回のミッションは完了した。
色々初めての経験で勉強になった。一番実感した事は、新聞のマイクロフィルム、もしくは実際の紙面から目的の記事を探して複写する為には、結構労力と時間がかかる、という事。今後は調べたい日にちやイベントはなるべくピンポイントで特定しておきたい。調べ方とコピー申込のおおまかな手順は把握できたので、今後も必要に応じて利用していきたい。
[1] 2020年11月のストレーツ・タイムズのオンライン版の記事にもこの時の写真が載っていた。バイデンがアダム・ロードのホーカーセンターを訪れたのは2013年7月26日、とのこと。二枚目の、バイデンが黄色いジュースを飲んでいる時の写真がそう。飲んでいるのはその色からしていかにもライム・ジュースだが、ストレーツ・タイムズの写真のキャプションによると実際そうだったようだ。
“Joe Biden’s memorable visit to Singapore in 2013 included surprise stop at hawker centre,” By Tan Tam Mei, The Straits Times, Nov. 9, 2020, retrieved on Jan. 11, 2025. https://www.straitstimes.com/singapore/joe-bidens-2013-visit-to-singapore-memorable-with-the-stop-at-a-hawker-centre
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